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酷い雨が通り過ぎていく
小さなベッドの上での
愛おしい時間の終わりを告げていた
「もう、帰らないとな…」
「うん」
本当は帰ってほしくない
ぎゅっと抱き寄せられれば
涙が溢れ
彼にしがみつく事しかできなかった
「すまない」
「私が悪いの
私が、望んだ事だから」
私たちは同じ罪を背負った
母や弟への大きな罪だ
「最後にもう一度だけ
キスして…」
これが本当に最後だから
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