手に入らぬ人

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そろそろ寝るぞと言い 早々にベッドに寝かせられると 渉君はいつものように 傍に置いてある椅子に座った 「凪は好きな子とかいないのか?」 「‥凪は、渉くんが好き」 「そっかー、光栄だなぁー」 「凪ね、渉くんに聞きたいことある」 「ん?言ってみ?」 「あのね、オシッコの出るとこって 触ると気持ちいいの?」 「………」 渉くんは何故か固まってしまった 「渉くん? 聞いたらダメなことだった?」 「あー、 誰かに聞いたのか?」 見たとは言えず咄嗟に頷き嘘をついてしまった 「凪、触ってみたけど 分からなかったよ」 「凪、それは大人になって好きな人が出来きてからなんだよ まだ、凪には好きな人はいないだろ?」 「凪、渉くんが好きだよ」 「もっと大人になると 凪が心から好きだと思える相手に出会えるから」 「渉くんは? まだ結婚してないよ?」 「結婚かー そうだなぁ。 凪が大人になったら結婚してもらおうかな?」  「ほんと!? 凪、渉くんのお嫁さんになる!!」 渉くんは優しく笑って頭を撫でてくれた いつか渉くんのお嫁さんになれると信じて 幼い私は瞼を閉じた
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