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2. 迷惑聖女の突然訪問 1
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「お師匠様、聖女様が大学に来ているそうです」
私の弟子、明るい性格のシトリンの声が聞こえ、私はここ、マルーネ大陸に住んでいるなら誰もが知る、聖女の存在を思い出しました。
聖女。
マルーネ大陸には五人守護者がいたといわれています。
当時、戦いが絶えなかった時代、その五人の守護者は16の国をまとめあげたそうです。
太陽を司る、プヒィリアは天使。
三つの月を司る、レテリアは神子。
水を司る、ディリアは聖騎士。
大地を司る、アフェリネアは精霊使い。
癒しを司る、ミフィリアは聖女。
この五人は人間だったといわれています。
彼女たちが寿命で元の世界に戻った後も、守護者の力を受け継ぐものは現れ、その一人が今の聖女、ネーテイラなのです。
隣国、ツェリルから籍を神籍に移したそうです。
「ん?シトリン、聖女が大学に来てるってどういうこと?」
「なんでも、ルナダスト家の書庫に入りたいそうです。今の聖女、あまりいい噂をききませんよね。どこかの国のどこかの村は聖女に挨拶しただけで、聖女とその取り巻きさんたちに焼き払われたらしいですし……」
「らしいではなく本当です。私の信頼できる商人がその話題を話してきたので。それよりも、書庫に入られると困りますね」
ルナダスト家の書庫の鍵はいま、父と私しか持っていません。
そもそも、書庫はルナダストの許可がないと入れないようにしているのでいいのですが……
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