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野村祐樹
この会員制ブラッククラブに入店する方法は一つしかない。
ドアのところにある自分で持っているブラックカードを置かないとドアは開かない事になっている。
カードの裏には名前が書いてあるのでコンピュータがそれを認識すると「認識いたしました。◯さんですね。そう言ってドアが開き店内ではお客さまが入店ですと声がして店の従業員はドアの近くでお客様を迎える事になっていた。
「お客様がご来店です。野村祐樹様がお見えになりました〜」
従業員は「いらっしゃいませ、会員制ブラッククラブにようこそ〜」と言ってから
何故かこそこそ話し出した、
どうしたんだろう?いつもはお客様をそんなにジロジロ見ないはずだし、こそこそ話さないはず。
僕が今は任されたんだ奴に
「みんなどうしたんだ?お客様をそんなに見たら失礼だろう?こそこそ話すのはやめよう。いつも通りお願いします。オーナーがいなくても」
その時、従業員は何か小松大介に言おうと
した。
「でも、オーナー野村様は〜」
「駄目だって今言ったら」くすくす〜
従業員の様子は少しおかしかった。
大介は何なんだ?皆んな何か隠してる?
従業員が笑ってる?どう言う事なんだ?野村様は
普通のお客様に見えるけど?
大介は野村祐樹に言った。
「お客様、従業員が野村様をジロジロ見たり何故か?笑ったりしてしまい申し訳ありませんでした。野村様はご予約のお客様だと聞いております。奥に個室を用意いたしました。私、小松大介がお客様のテーブルについて接待いたします。その前にここは、悩みを〜」大介は友人のオーナーが手紙に書いた通り長い臭いセリフを言った。
野村祐樹は喋る事ができないらしくメモに書いてきたらしくそのメモに書いてある悩みを見せた。
「僕もお店をある人に任せています。僕は喋る事が病気で出来なくなりました。人気のお店にするにはどうしたらいいですか?僕の店も会員制クラブなんですが〜」
「そうですねー。僕はいつも思うんです。この店を何度も手伝って今はお店を任されている。お客様を大切にする事が売上アップに繋がると思うんです。この店をオーナーが立ち上げた頃はお客は僕一人だったんです。でも口コミで徐々にお客様が会員になってここに来るようになってくれた。
いいお店は口コミで広がるものです。こちらが宣伝しなくても。野村様もお客様を大切にする心があればそれだけでお客様に伝わると思います」
野村祐樹は大介にまたメモを渡した。
「パソコンはできますか?」
大介は「はい、一通りは」そう答えると
野村祐樹はまたあらかじめ書いてきたらしいメモを渡した「このお店で一番人気のカクテルをお願いします。
わかりました。今この備え付けのインターフォンで従業員に注文いたします。
そう言うと大介はインターフォンで注文した
「野村祐樹様のお部屋なんですが、オレンジサマーカクテルをお願いします」そう言って大介は注文した。
その後大介は野村に聞いた「おつまみとかは入りませんか?」
野村はまた家で書いてきたらしいメモを見せた
「この店で一番安いフードメニューをください」
大介はインターフォンで頼んだ「野村様のご注文でおつまみセットをお願いします」
この時、大介はお客様に不信感をいだいた。
この店に来るお客様はみんなお金持ちだ。
僕が知ってる限りおつまみの一番安いセットを頼むお客様なんて見た事がない。
それにパソコンできるか?って何でそんな質問を?嫌お客様をもてなすのが今の僕の役目だ。お客様は予約までしてくれたんだ。
野村はまたメモを渡した。「この店で人気のカクテル一番人気は飲んだから二番目のカクテルから順番にベストテンまで持ってきてください」
そう書いてあった。大介はその通りにインターフォンで頼んだ。
「こちらが第二位の青い宝石です。こちらは第三位のスキャリュームの炎です。こちらが第四位の海の安らぎで〜」と大介は順番に野村祐樹にカクテルの名前と何でそんな名前がついたのかを説明した。
でも小松大介は少し考えてしまった。
今夜のお客様は今まで見たお客様とは少し違う。。。今までカクテルをベストテンの順番にもってきてほしいと言ってきたお客様は初めてだ。
お金持ちのお客様は普通そんな注文の仕方はしないはずだけど?
もしかして彼奴の知り合いとか?
小松大介は少しの疑問を心の中で整理していた。
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