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壱威の後を追う内たどり着いたのは、屋上への階段。
てっきり用事なんて、私を避ける為の口実か何かだと思っていたけれど。
こんなところまで来るということは、本当に何か用事があったのかもしれない。
「あ……」
窓もない少しひんやりとするその階段を上っていくと、眩しい光が差し込む。
その眩しさに目を細めながら歩みを進め、開かれた扉からひとまず顔だけを出し、恐る恐る屋上の様子を伺う。
「あれ?」
そこに予想していた壱威の姿はなく、あるのはフェンスだけ。
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