3,変化

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  「…………」 彼女の上唇を舌で舐め上げながら、壱威の視線が不意にこちらを向く。 その瞳が私の姿を見つけて驚くどころか、楽しげに細められた。 「……っ!?」 今私の目の前にいるのは、本当に壱威? 私の知っている壱威はいつも三人でいるのが当たり前で。 私が泣いたり困ったりしている時は、優しく包み込んでくれるような暖かい存在だった。 ……でも、今目の前にいる壱威は知らない女の子を抱いて、私に見せつけるようにキスをしている。 こんな……こんな壱威を。 私は知らない……! 「あっ!」 思わず後ずさった刹那。 震える足に力が入らず、ガクンとその場に崩れる。  
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