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ドサリ、と。
派手に転ぶ物音が屋上に響いた。
「キャッ! な、なに?!」
慌てふためく彼女の上擦った声。
やって、しまった……。
「まさか覗き見してる女がいるなんて思わなかったな?」
頭上からの人影が視界に入り、顔を上げられない。
心臓はドクドクと異様な速度で脈打ち、背中には嫌な冷や汗が滲んでいた。
「君、もう帰っていいよ」
「え? あ、あの……」
「早く帰れよ。ヤル気が失せたって言ってるのが分かんない?」
「……っ! 帰る……わ」
容赦ない冷たい声。
喉から絞り出したような彼女の声は涙混じりで。
足早に去っていく足音が私の体を横切ると、屋上は途端にしんと静まり返った。
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