何、願ってくれちゃってるんですか

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「どうしてそんな願いを……」  わけがわからず混乱していると、課長はもっと真っ赤になる。  そして、更に驚くべきことを口にするのだった。 「……好きだから」 「え?」 「お前のことが好きだ」  ……………………  貫くような視線で真っ直ぐ言われ、ドクッと大きく胸が高鳴った。  信じられない。  課長が私のことを好きだなんて素振りは今まで一度もなかったし、好かれる要素が一つも思いつかない。 「……冗談ですか?」 「冗談じゃない」 「本当に!?」 「本当に。大好きだ」 「大好き!?」  キャパオーバーを迎え倒れそう。  ふわっと目眩を覚え再びベッドに傾く私の身体を、抱き止めてくれる課長。  左腕を私の背中にまわし、右手でそっと顎を持ち上げる。  妖艶な笑みで顔を覗き込まれ、心臓が止まるかと思った。 「流れ星の願いが叶った。大事にするから、一緒に暮らそう、星山」 「な……」  かなりのイケメンだから破壊力がすごい。  課長って、こんなにうっとり笑う人だっけ?  普段の彼からは想像できないような包容力と色気に絆されそうになるけど、我に返って課長から離れ勢いよく立ち上がった。 「く、暮らせません!」  そもそも、流れ星の願いなんて意味がわからないし。  どうしてこうなったのかわからないけど、とにかく家に帰らなきゃ。  帰って一度頭を整理しよう! 「お邪魔しました!」 「ちょっと待て、朝食食べてから……」 「結構です!」  床に置いてあった自分の鞄を手に取り、慌てて彼の家を出る。 「待てって」  それでも、課長はしつこく私を追いかけた。 「……俺も行く。荷物とりに帰るんだろ?運ぶの手伝う」 「だから暮らしませんってば!」 「じゃあ一緒にいて気が変わるのを待つ」 「………………」  こんなに強引でしつこい人だったとは……。
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