本当の家族に

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「光花……」  切なげな声を出し、私の胸に顔を埋める新さんが愛しくて、小さく口を開いた。 「ひとつになりたい」  私の望みを叶えてくれるように、彼は避妊具をつけた自分の身体をあてがう。  ズン、と強い衝撃と共に、僅かな痛みが襲った。 「……大丈夫?」 「ん……だいじょ……ぶ……」  一度はぎゅっと瞑った目を、そっと開いて新さんを見つめる。  心なしか、いつもより痛みを感じなかった。  彼を受け入れるように脚を大きく広げ、背中に強くしがみつく。 「もっと……きて」 「でも」 「大丈夫……だから」  彼は至極慎重に腰を動かし、ゆっくりゆっくり私の中へ入っていく。  押し広げるような力と熱が、痛みから気持ち良さに変わっていくのを感じた。 「あ……らた……さ」 「ひとつに……なれたね」  その一言を聞いた瞬間、喜びに胸が震えじわりと涙が滲んだ。  ……やっとひとつになれたんだ。  新さんと、繋がることができた。  言葉にならない感動と喜びが押し寄せ、涙が止まらない。 「いた……くない?」 「うん……気持ち……いい」  そう言った途端、彼の腰は大きく私を突き、突然の刺激にまた声が漏れる。 「ごめ……もう、限界」  彼は甘い声を漏らし、ゆっくり腰を動かした。 「あ……ん……」  律動に合わせて、二人の吐息も重なる。  肌が当たる音が淫らに聞こえて、余計に欲を煽った。 「あ……あ……いぃ……」  やがて動きは速まり、新さんの吐息も荒くなる。 「き……もち……い?」 「よすぎて気ぃ失いそ……」  彼も満たされていることがわかって、嬉しくて仕方なかった。  私達は必死に声を上げ、お互いを深く求める。 「ぁあ……いっちゃ……」 「一緒にいこ……」  彼が一際強く突いた瞬間、今まで感じたことのないような快感が電流のように身体中を支配し、大きく仰け反り悲鳴を上げた。  私の中で彼はビクビクと痙攣し、熱がじんと体内に伝わる。  頭が真っ白で、何も考えられない。  強く抱き締めあってキスをして、見つめ合いながら呼吸を整えた。
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