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願いは叶うから
「お星様に願ってごらん」
満天の星空の下で、新さんは五歳になる娘の愛花にそっと微笑んだ。
「願えばきっと叶うから」
「本当に?」
愛花は私の腕の中で、キョトンと彼を見つめる。
「本当だよ。パパの願いは叶った」
そう言ってニンマリ笑う新さんに同調して、私も目を細める。
「ママの願いも叶ったよ」
途端に愛花の表情は華やぎ、新さんによく似た澄んだ瞳を輝かせた。
「すごーい! ねえ、パパとママは、何をお願いしたの?」
私達は顔を見合わせて、微笑んだ。
「ママとずっと仲良く暮らせますようにって」
「パパとずっと仲良く暮らせますようにって」
【おしまい】
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