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魔王との長い戦いが終結しておよそ5年。ロマネスクの街は、平穏な日々をすごしていた。
破壊された箇所の修復、街を離れていた住民たちが徐々に戻るなど、少しずつ戦いの前の姿を取り戻しはつつあった。
その中には、かつて国を救った勇者の姿もあった。
戦いの終焉後、武器を置き、勇者の肩書きを脱いだ彼女は、街の若者と結婚した。
街の復興にも尽力した彼女は、今では2人の子宝に恵まれ、幸せな生活を送っていた。
もう5年なのか、まだ5年なのか。
時折よぎる思い。
戦いの記憶は、彼女の心に浅からぬ傷として残っていた。
この子たちには同じ思いはさせない。願わくば、そんなことがあったなんてずっと、わからないように―。
そんな時が来ること信じ、平和な日々が続くことを願っていた。
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