出会いのようなもの

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 気がつけば、朗読会が待ち遠しくなっている自分がいた。  今度参加してみようかな。  もちろん聴く側だけど。  部活行く前に少しだけ聞いてから行くのも悪くない。創作意欲がかき立てられる気がする。  とりあえず、あの人の名前も知りたいし。  美術室の鍵を開けて中に入る。だいたい私が一番乗りで、部活の準備をして待っている。  別に参加は強制ではなく、毎日来ているのは私を含めて数える程だった。 絵を描いている時間が落ち着く時間。私のリラックスタイムだ。  昨日まででひとつ書き終えていたから、また新しい絵を描き始める。  何かをイメージして、描き始めて、だいたい数日をかける。  なんだろう。ふーっ、と一息ついた時に浮かんだのは、あの人が朗読している姿だった。
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