16人が本棚に入れています
本棚に追加
「くそっ! まだ上がるな!!」
大輔が太陽へ向けて叫ぶ。
しかし太陽は容赦なく街を照らし始める。
光が佳奈たちの元まで届くのに、数分しかかからなかった。
その光は首無し地蔵も照らし……5体目の首がついていた。
石化した一生の顔が、しっかりと目を閉じてそこにある。
あ――。
佳奈も春香も大輔も明宏も、みんな言葉がでなかった。
今まで地蔵に首がつかないように必死に頑張ってきた。
途中からこの街を壊滅から守るという目的に切り替わったけれど、慎也と美樹のことだってある。
それなのに……。
「これで終わりだね」
智子は5体の首を見つめて、うっとりとした声でつぶやいたのだった。
首取り様4へつづく
最初のコメントを投稿しよう!