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「原田って智子の名字じゃない!?」
すぐに気が付いて佳奈が叫ぶ。
明宏は頷いた。
「他の奴らの名字はわからないけれど、あの3人はやけに地蔵についてもイケニエについても詳しかったよな。きっとこの儀式関係者だったんだ!」
明宏の憶測は正しかった。
智子が人殺しと呼ばれたことも、一生があの家の子供だと言われたことも、すべてが関係している。
「もう少しあいつらと話をする必要がありそうだな」
大輔はそう言い、無意識に指の骨をバキバキと鳴らしたのだった。
☆☆☆
それから一度家に戻って仮眠をとった3人は夜になるのを待った。
今日も彼らの仲間の誰かが犠牲になるはずだ。
だけど彼らは首を探さない。
首が地蔵についたことを確認するために、あそこにいるだけだ。
「そろそろ行こうか」
クローゼットを開けて慎也の体に抱きついていた佳奈は、その声に顔を上げた。
ドアの前に立っているのは明宏だ。
その後ろには春香と大輔もいる。
その手には武器が握りしめられて佳奈はとまどった。
「その武器を持って行くの?」
「あぁ。化け物相手には使わないけどな」
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