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グッと両足を踏ん張って地面に立つ。
「答えろよ」
大輔がバッドを構え、亮一は銃口に指をかけた。
「俺たちのすることがそんなに気に入らないのなら、お前らも俺たちを差別してきた人間と同じだ」
亮一が凍りつくような冷たい声で言う。
「それなら容赦する必要はないよね」
智子がニヤリと笑い、バッグの中からロープを取り出した……。
☆☆☆
それから何時間が経過しただろうか?
体中に痛みを感じて目を開けると、外はまだ暗かった。
手足の自由がきかずに自分の体を確認してみると、ロープでグルグル巻にされていることがわかった。
佳奈だけじゃない。
春香も大輔も明宏も同じようにロープで巻かれて地面に転がされている。
バッドと猟銃でははやり分が悪すぎた。
どれだけ大輔が力の限りを尽くしても、猟銃を一発空に放たれた瞬間から勝敗はあったのだ。
それに智子たちは化け物を拘束して拷問を行うことを好んでいる。
そういう武器に関しても用意周到だった。
距離を詰められてスタンガンを押し付けられた佳奈はそのまま意識を失ってしまったのだった。
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