5つ目の首

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電圧はきっと最大にしてあったに違いない。 スタンガンを押し当てられた首元はまだビリビリとしびれていて、焼けた感覚もある。 「やっと起きたの?」 智子の声に顔を向けると、ビニールシートの上に転がる黒い化け物に気が付いた。 化け物も自分たちと同じように拘束されていて、すでに四肢が切断されている状態だった。 「これを解いて!」 叫んでじたばたもがいてみても、ロープは緩まない。 声も枯れていてほとんど出なかった。 「うん、解いてあげる。だけどもう少し待ってね?」 智子はそう言うと腕時計を確認した。 そうだ、今は何時だろう? 「時間を教えてくれ!」 明宏が叫ぶ。 他の2人もすでに意識を取り戻したみたいだ。 「時間? 時間はねぇ……」 智子が時計から視線を外してニヤリと笑う。 その笑みに背中がゾクリと寒くなった。 智子の視線が空へ向かう。 佳奈はつられるようにして視線を向ける。 丘の向こうから光が上がってきているのが見えた。 嘘でしょ。 もう夜明け!? 大きく息を飲んで、そのまま呼吸を忘れてしまう。
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