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佳奈は祖母から貰ったお守りのことを思い出してキュッと胸が痛くなった。
「でも、イケニエになった人たちって5人だけってわけじゃないよね?」
春香が首をかしげて聞いていた。
お祭りは数年に1度の単位で行われていたようで、その度に5人のイケニエが差し出されている。
「地蔵の数が少な過ぎない?」
春香の疑問はもっともだった。
イケニエになった人たちのために地蔵を作るのではあれば、全員分の地蔵が立てられていたもおかしくはない。
しかしこの街で首無し地蔵はあの5体しか見たことがなかった。
「他の人たちは別の方法で祀られているんじゃないかな? 当時は三福寺があって、墓地だてちゃんとあっただろうし」
明宏が答える。
しかしそれが正しければまた疑問が浮かんでくるのだ。
それならどうして、あの5体だけあの場所に地蔵が立てられたのか?
なにか特別な理由があるとしか思えなかった。
「ここにイケニエにされた人達の名前が記載されてるな」
ファイルをめくると、イケニエがあった年度とイケニエになった人達の名前がズラズラと書かれていた。
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