知らない顔

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「僕たちがイケニエから開放されても、イケニエ事態はなくならなかったように」 ザァッと4人の間に強い風が吹き抜けていった。 「どうにかして慎也と美樹の首だけでも元に戻さないと」 佳奈は目の奥にグッと力を込めて涙を押し込めた。 新しくついた首のこと、新しくイケニエになった人たちのことはもちろん気になる。 けれど、今は2人の首を戻すことが1番だった。 「どうする? どこを探す?」 大輔からの質問に明宏は顎に手を当てて考え込んだ。 首を元に戻す方法がどこかに書かれているとすれば、それはネット上か図書館だ。 「首を見つけた場所を、もう1度探してみるっていうのはどうかな?」 明宏の言葉は意外なものだった。 自分たちはすでに何度も首を見つけた場所へ行き、そこでガイコツを見つけているのだ。 「どうしてまたそんなことをするつもりなの?」 春香に聞かれて明宏は「忘れたのか? 夢の中の影に言われたじゃないか」 それは前回明宏が首を取られたときのことだった。 夢の中で首を切られるとき、金縛りにあって動くことはできないが、相手に質問することはできるのだ。
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