知らない顔

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「石碑があった!」 明宏の声に全員が集まった。 そこには前回見つけた石碑がしっかりと立っていた。 「周辺も含めてしっかり調べよう」 明宏の言葉に他の3人が頷く。 この空き地全体の草刈りをすることは難しいけれど、石碑の周辺だけなら簡単に掃除することができる。 春香と佳奈の2人は素手のまま伸びた草を引き抜いていった。 幸い伸びている草はどれも手を切るようなものではなく、地面も柔らかくて根っこごとするすると抜けていく。 そうして石碑周辺が少しキレイになったところで、明宏がなにかを見つけた。 「これを見てくれ!」 確認してみると、石碑の裏側にもなにか文字が掘られているのがわかった。 しかしそれも土で埋もれて読むことができない。 明宏が手で土を払って中腰になってそこに書かれている文章を読み始めた。 「明治○○年……イケニエを……くそっ、読めないな」 石碑は随分と古いもののようで、文字は長年の風雨にさらされて削られてしまっている。 しかし、その中には昔の年号とイケニエという言葉、そしてこの街の名前が書かれていることが理解できた。
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