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知らない顔
首を探すゲームのターゲット、イケニエは自分たちではなくなった。
だけど慎也と美樹の首は戻ってきていない。
それを確認した佳奈、春香、大輔、明宏の4人は地蔵へとやってきていた。
「ちょっと、あれ見て!」
地蔵が近づいてきたとき春香が叫んで指を刺した。
その先に見える地蔵は影が濃く、今までとはなにか違うことがすぐにわかった。
「首が増えてる!」
4人が地蔵の目の前まで到着したとき明宏が青ざめた顔で言った。
地蔵の首は慎也と美樹以外にもう1人の首がついているのだ。
固く目を閉じているその顔は見たことのない男の顔で、それはつまり現在イケニエになっている人たちがすでに首探しを失敗したことを意味していた。
「嘘だろ。こんなに早く次の首がつくなんて」
明宏が地蔵の顔をから視線をそらしてつぶやく。
3人目の地蔵になってしまった人も、美樹と同じように胴体だけ生きているのだと思うと、ジッと見ていられなかった。
「本当にしっかり探したのかよ。最初の頃は黒い化け物だって弱くて、簡単に探せたはずだ!」
大輔がツバを飛ばして文句を言う。
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