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10等身のエルゴはコギトのママに、極めてにこやかに告げた。
AIだからコギトの事を思っている訳ではない。
ましてや怒っているはずなどない。
『────さて、それでは。
貴女がこれまでに犯した罪を確認させていただきます。
その後、この国の司法の名の元に、あなた方二人に判決を下します』
☆
次の朝。
病院のベッドでコギトが目を覚ますと、ナース服を来た医療用AIロボットのエルゴが微笑みかけていた。
そして、その隣には。
「……パパ!ママ!!」
「コギト、俺が悪かった!どうか許してくれ」
「コギト、私達決めたの。もう絶対にあなたを一人にしないからね!」
良かったね、コギト。
君はこれから世界で一番幸せになるんだよ。
ちゃんとエルゴが叱っておいたからね。
だって、ほら。
微笑むエルゴの目に映るのは、抱きしめ合う三人の姿。
そしてほら、パパとママのうなじには。
髪に隠した小さな小さな
『C・エルゴプロダクト』
の文字があるのだから。
良かったね、コギト。
もうパパとママは間違いなく、君を幸せにする為に活動するだろう。
今日、一つの命が救われ。
そしてこの国にAIが二体増えた。
めでたしめでたし……
────さて。
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