⑧ 最強タッグ解散?

5/10
71人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
 結局二時間くらいしか寝ることができなかった。  眠たいまま、学校に行く。  水斗君に、上手く話せるかなぁ。  きっとすぐに怒って、口をきいてくれなくなるだろう。  あー、言いたくないな。 「ヒビコ、聞いてくれ!」  教室に入ってすぐに、水斗君が真剣な顔して近づいてきた。  まだおはようも言っていないのに、何事なの? 「ど、どうしたの?」 「今日、夢にじいちゃんが出てきたんだ!」 「え? おじいちゃんが?」 「ああ! 夢の中でじいちゃんが、なんか困ってて」  困ってる……ちょっとよくわからないな。  もう少しちゃんと聞かないと。 「おじいちゃんはなんか言ってた?」 「えーと……除霊ご飯の効果がなくなってしまうかも……とかなんとか言ってた」 「……え?」  まさか、それって私の転校のことと関係してるんじゃ……。  おじいちゃん、水斗君の夢に出てきて、お告げをしたんだ。  私のことも、見守ってくれてるんだね。  こうなったら、この勢いで言わないと。 「多分それ、私のせいだわ」 「は? 何だよ、ヒビコのせいって」 「私、昨日お父さんに言われたの。もう少しで、また転校しないといけないんだって」 「……転校?」  水斗君の声が小さくなる。  本当は私だって、言いたくない……。 「うん。前の街に、また戻らなくいけなくなったの」 「梅賀……だよな?」 「そう、梅賀」  下を向く水斗君。  しばらく無言になって、その場に立ったまま。  やばい……けっこうショックを受けてる。 「ご、ごめん。除霊ご飯、作れなくなっちゃうね……」
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!