② 最強タッグ結成!

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 なんて純粋な目なんだ。  水斗君は料理をしている時と同じく、パッとはじけた笑顔を珠子先生に見せている。 「そういうことよ! 水斗君の料理はただ美味しいだけじゃない! 浮遊霊が憑依した人間を除霊して、そのまま成仏させてあげることができるの!」 「まじで! オレの料理、すげぇじゃん!」  すごい単純な子なんだな。どうしてそんな能力があるんだろうとか……そういう疑問は何も浮かんでいないみたい。  私が代わりに聞いてみた。 「珠子先生。どうして水斗君の料理には、除霊能力があるんですか?」  珠子先生は上を向いて、その理由を考えてくれる。「そうよねー、それが謎なのよねー」と言って、頭を悩ませた。  私も考えてみるけど、今日はじめて水斗君と知り合ったわけだし、まだそこまで仲良くないからわからなかった。 「あっ! わかった!」  珠子先生は手をパチンと叩いて、思いついた反応を見せた。  私は「何ですか!?」とすぐに聞く。 「きっと水斗君の料理は、純粋なのよ! その優しさが胃の中に広がって、霊の想いが浄化されるんじゃないかな?」  純粋だからって……小学生の私でも、それは無理がある理由だとわかる。  かと言って水斗君の料理に特別な調味料が入っているわけでもないし……きっとこの謎はいくら考えても解けないだろう。 「とにかく! これから二人でタッグを組んで、たくさんの浮遊霊を成仏させてあげること! わかった?」
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