運命のふたり

1/1
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ

運命のふたり

 ひとしきり泣いた後、ソフィーは両手で自分の耳を覆った。  "運命のふたり"、それは分かたれていいものではない。それが例え"死"であったとしてもだ。 「わたしは、あなたと出会う為に生まれたの。そしてあなたもまたわたしと出会う為に生まれた。わたしたちは出会う運命だったの、これから先も一緒にいる運命だったの。だから、わたしはあなたと一緒にいるわ」  不思議と怖くはなかった。少女の心はどこか満ち足りていた。  トクントクンと脈打つ心臓、その鼓動を感じながらソフィーは自分自身へと命じる。 「【さぁわたしの心臓、その動きを止めなさい】」  鼓動がゆっくりと遅くなり、何だか眠くなる。  ソフィーはレオナルドの唇にキスをした。 「大好きよ、愛しているわレオナルド。これからもずっとね……」  こうしてふたりは永遠の眠りについた。  レオナルドにしっかりと抱きついたソフィー、大の大人の手でもふたりを引き離すことは難しく、ふたりは共に同じ墓へと埋葬されたのだった。 ≪終≫
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!