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運命のふたり
ひとしきり泣いた後、ソフィーは両手で自分の耳を覆った。
"運命のふたり"、それは分かたれていいものではない。それが例え"死"であったとしてもだ。
「わたしは、あなたと出会う為に生まれたの。そしてあなたもまたわたしと出会う為に生まれた。わたしたちは出会う運命だったの、これから先も一緒にいる運命だったの。だから、わたしはあなたと一緒にいるわ」
不思議と怖くはなかった。少女の心はどこか満ち足りていた。
トクントクンと脈打つ心臓、その鼓動を感じながらソフィーは自分自身へと命じる。
「【さぁわたしの心臓、その動きを止めなさい】」
鼓動がゆっくりと遅くなり、何だか眠くなる。
ソフィーはレオナルドの唇にキスをした。
「大好きよ、愛しているわレオナルド。これからもずっとね……」
こうしてふたりは永遠の眠りについた。
レオナルドにしっかりと抱きついたソフィー、大の大人の手でもふたりを引き離すことは難しく、ふたりは共に同じ墓へと埋葬されたのだった。
≪終≫
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