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あなたの言うことなら
「リオ、リオ! 大丈夫??」
ソフィーはレオナルドの側へ座り込むと、彼の頭を膝の上へと乗せる。
レオナルドはヒューヒューと不気味な息づかいをしていて、焦点が定まっていない様子だった。
「どうしてこんなこと……いえ、わたしの為よね。嬉しいけど、こんな危ないことはしないでちょうだい。あなたが傷つくと、わたし悲しいわ」
ソフィーの涙は頬を伝って落ち、レオナルドの顔を濡らす。
少年は力の入らない右腕を懸命に上げて、指で彼女の涙を拭き取る。
「……わらって、そふぃー」
にこっと笑うレオナルド、ソフィーはとてもそんな気分ではなかったが──、
「ええ、あなたが言うなら逆らえないわ」
満面に天使の様な、花の様な、そんな美しい笑みを咲かせてみせた。
レオナルドは更に笑みを深めると、腕をブランと下げ……口から煤色の血を吐き出して動かなくなってしまった。
「……リオ? ねぇ、リオ、レオナルド!! いや、いやよ!! こんなっ!!」
ぴくりとも動かないレオナルドを抱き締めて、ソフィーは大きな声で泣いた。
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