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オートワークシステムが世間に広まり、半年が経った。
クレームの多い居酒屋やコールセンターはもちろんのこと、今ではどこもかしこもオートワークシステムが広まっている。
全国展開の大手フランチャイズ飲食店は全てがオートワークシステムを導入していた。
それにより、業務中の変な行いをインターネット上にアップロードする。所謂バイトテロの心配も無くなり、店長は心身の負担が減って、客も安心して利用ができた。
更に、プロのシェフを参考にして作られたプログラムにより、一般人でも一流の味が提供できるのだ。
工場でもオートワークシステムは大活躍だ。全員が定められた手順を守るため、手順の省略による事故の発生もゼロ件になり、品質も向上した。
仕事というのは、それが生きがいで楽しいという人もいるが、生きるため、食うため、仕方なくという人が大半だと相坂は思っている。
そういった人達の仕事によるストレスも減り、離職者どころか自殺者の数まで減少していた。
出勤退勤もAI管理されている為、サービス残業という悪しき慣習は無くなり、また仕事を辞めたくても『次が無い』といった不安からも解放される。
オートワークシステムにより、社会にはゆとりが出来る。嫌な仕事はAIで全て解決し、自分は残った時間を悠々と好きに過ごせた。
オートワークシステムが現れ、一年後。
家庭向けのオートワークシステムが発表され、どこでも品切れが続く大ヒットとなった。
掃除洗濯、料理にその他雑務。面倒な家事が手際良く終わる。
しかも全ての仕上がりがプロ並みの一級品だ。掃除は汚れ一つ無く終わり、洗濯もアイロンがピシッと決まり、料理はまるで一流レストランで食事をするかのような味。
もう先進国はオートワークシステムを大歓迎していた。まぁ、今だに反対派も少なくはないが。
相坂は今もコンビニでアルバイトを続けている。オートワークシステムが無ければきっと辞めていただろう。
出勤してヘッドセットを付け、いつの間にか時間が経って退勤し、家に帰ればまたヘッドセットを付けて面倒な家事を丸投げする。
残った時間は好きに使う。ネットサーフィンをするなり、ゲームをするなり、寝転んだりと好きに生きる。
相坂は就職活動に失敗し、ブラック企業と呼ばれる会社に入ってしまった過去があった。
心身ともに衰弱し、現状の辛さと、将来の不安から、死のうかと思っていた所でなんとか踏みとどまり、退職届を出したのだ。
今は嘘のように毎日が楽しい。心からオートワークシステムを創った人間に感謝をした。
そんな境遇の人間は相坂以外にも数多く居る。まさにオートワークシステムは人類の救世主だった。
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