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アップデート
第五話
「…暇だなぁ…」
私は、現実世界でシャーペンを回しながらそう呟く。
今現在、RGOは大規模アップデートの為ログイン出来ないのだ。
なので、学生の本業である勉学に精を出そうとしたのだが…
「…飽きた、」
一応オフラインでフレンド間での打ち合いならできるらしいのだが、…誘える相手がいない。と、いうよりも、sudatchが現在旅行中で、遊び相手がいないのだ。
「…あ、宿題やってないや、」
もう一つの宿題を思い出し、私は其れに取り掛かろうとバックを開ける。
「えっと…プリントプリント…あった、」
一応受験生ではあるので、ちゃんと授業も受けているし、勉強もそれなりにはしている。
「…フンフフーン、…あっ、」
SNSを確認してみると、もうメンテナンスは終わったらしい。
其れを見た私は、直ぐにログインの準備をしていた。
「うし、ログイン!」
見慣れたログイン画面を通り抜け、メンテナンス後に現れるディスプレイをスクロールしながら、追加された要素を確認する。
「…え?バイク追加されたの?」
そう、RGSにバイクなどが追加されたのだ。
「…さーてと、HMGが無双しそうな感じですが、どうしますかね~?」
そう呟きながら、”raimu”というアバターの手を握ったり開いたりして感触を確かめる。
「さーて、と…試し撃ちでもしますかねぇ…?」
デザートイーグルをストレージから出して手に取り、的に向かって構える。
ダァァァァ…ァン
「うん、感触は変わってない…けど、反動がちょっと重くなったかな?」
少々重くなった反動を仮想の掌で感じながら、私は呟く。
「…誰もいないよね?」
周囲を見渡し、誰も居ない事を確認しながら、ストレージを操作し、「PGM ヘカートⅡ」を取り出した。
「…ん、スコープの倍率の上限が上がって、逆に下限も上がってるのかな?」
表現があっているのかは怪しいが、試しに撃ってみる。
バァァァァァァァァァァァ… …ァァン
「ん、射程も伸びてるのか、」
確認しながら、私はヘカートをストレージに仕舞う。
「さーてと…」
と、呟き、私はデザートイーグルを腰に差し、広場に向かうのだった…
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