それはVRMMOFPSゲームでのこと

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それはVRMMOFPSゲームでのこと

《この物語は、フィクションです》 西暦20××年、世間ではVRゲームが大流行していた。 3Dでも全く違和感のない風景、リアルな描写、そして…発達したAIがその(VRMMOゲーム)の中に居て、対応をするのだ。 ボードゲームやテレビゲームは衰退し、やがて人々の記憶から忘れらさられていった。 つい最近までゲームの画面と睨めっこをしていた私も、今ではVRMMOゲームにハマっていた。 「…チッ、本当にAIかよ!?」 私が今やっているのは、「RGS(リアル・ガン・シューティング)」というゲームで、現実にもある銃が忠実に再現されていて、それでいて対人戦から対モンスター、更には対AI戦まであり、とてもやりこみがあるゲームなのだ。 …だが、AIは全プレイヤーの動きを観察し、訳2週間に一度のペースで成長する。なので、一応トッププレイヤーと呼ばれるSランクの私でも、結構苦戦するのがAI戦なのだ。 ダァン ダダァァァァン そんな音を出しながら、狙いすまされた場所を的確に弾丸が撃ち抜く。 私の右手にあるのは、M.R.I社の自動拳銃、「デザートイーグル 50AE」だ。 その火力を以て、貫けない障害(もの)はない。そう信じられるほどの、信頼と愛情を込めている。 「…!」 AIは基本無口だ。だが時に向こう《AI》から話しかけ、戦意を逸らそうとしてくる高度なAIもいるが…今回は違ったようだ。 基本的にAIの選択は不可能で、基本は運だ。 「これで…終わりだ!」 ドガァァァァ…ァン 《You win!》 視界の隅で輝きながら出現したそのウィンドウを見つつ、私は思い更ける。 「…はぁ、疲れた~。」 毎回の事だが、AI戦は疲れる。そう思いながら、愛銃の手入れをする。 人によって好みが分かれるこのゲーム。だが私は、けたたましい銃声が飛び交い、毎秒のように出血エフェクトが飛び散るこの世界。だがこんな世界が、たまらなく好きなのだ。 「んじゃ、報告行きますかね…ん?」 何かいつもとは違う“気配“を感じながら、聞き覚えなないメロディーと共に視界に新たなウィンドウが開かれた。 「君の力が必要だ! ボスモンスター出現! ボスモンスター出現! 最低レベル 100 健闘を祈る! 期間○○/○○~○○/○○ 主な報酬…」 「…え?」 「なにこれ?」 私と同様のウィンドウが出現したのであろうプレイヤーたちが、次々と疑問の声を上げる。 このゲームが発売されて、はや3か月、こんなイベントなんて一切なかったし、事前公表なんてなかった。 だが、期限はかなり短く、明日から始まってしまう。…そんなことが分かってしまったら、プレイヤーのほとんどは… 「やっべえ!こうしてられねえ!ボス戦に備えないと!」 「ポーションに、弾薬に…」 (…まあ、こうなるだろうなぁ…) そう思いつつ、私は自分のレベルを確認する。 キャラクターネーム raimu LV208 スキル 「疾走」「隠密」「集中」「一撃必殺」「無限」 ステータス HP《ヒットポイント》1500       ATK《アタック》1500+5000       DEF《ディフェンス》1000       SPD《スピ-ド》2000-500 (…大丈夫、LVは足りてるし、ストレージには回復薬も十分ある。ほかに必要なのは…) そう考えながら、報酬を受け取るためにギルドへ向かうのだった…
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