5人が本棚に入れています
本棚に追加
頭がいい、運動神経がいい、人付き合いがうまい、容姿がいい。中学校のスクールカーストの上位にいるのはこんな人たちだ。
上流の人たちは生まれ持ってそうであり、それ以外の人たちは生き方次第で中流か下流か、あるいはそれ以外か決まる。
「それで?」
「ん?」
「なんでお前は俺らと一緒にいるわけ?」
「え、何?急に。一緒にいたらだめなの?」
「俺らの不利益じゃなくてさ。お前に得なんかないだろ?」
「そうだよ。ササは仲良くしようと思えば誰とでもできるでしょ?」
「……僕も下流の人間だからさ」
ここはどこか。
ただ流されるだけの草舟の僕に現在地など分からない。
「嘘つくなんじゃねーよ」
「え?」
「お前いつしかマドンナと話してただろ?」
「それ本当?」
「見てたの?」
別に何かトキメキがあったわけじゃない。何気なく話しかけられたからそれに応えただけ。
「ああ見てたさ。お前がマドンナに連れられて校舎裏に行くところをな!」
「別に何もなかったって」
「嘘つくんじゃねーよ。今時あんな場所、あんな状況ででやることなんて一つしかないだろ」
「まあまあ。嫉妬は見苦しいって」
「ばっ、違うわ!」
「それにそのマドンナは山崎くんと付き合ってるんでしょ?」
「む、確かに。こんな短期間でそれはないか……」
最初のコメントを投稿しよう!