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「完璧すぎて、なんだかミナトと愛莉の方が夫婦みたいだ」
「完璧とは……お褒めいただき光栄です」
「アンドロイドは嫌味通じないんだな」
「ふふ、焼きもち、というものでしょうか」
「ニコニコしながら図星ついてくるし……」
ミナトは僕の向かいに座った。落ち着いた視線が僕を捉える。
「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。原因としては、3人での生活に慣れていないことが推測されます。
今後は旦那様も過ごしやすいよう着実に学習いたします」
「……」
人の姿とはいえ、機械なのに。
どうして僕の心が振り回されるんだろう。
「まさかとは思うけどさ、愛莉のこと好きだったりしないよね?」
「好きですよ」
「え」
「愛莉さんも、旦那様も俺が仕える大事な方達ですから。好きに決まっています」
邪気のない笑顔に、僕の心はぐらりと揺れた。
もう、ミナトのことを受け入れてしまおうか。
そしたらこんな対抗心と、罪悪感を感じずにすむ。
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