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それからどうしたかって?
結局、スパイ生活に逆戻りさ。しかも任せられるのは体を張った任務ばかり。
組織の中でも面白がって計画に加担する者が出てきた。知らないうちに俺の体重を測り、結果に一喜一憂しているという。
ハードな毎日で胃が日に日に小さくなっている。おまけに脂肪の奥に眠っていた従来の筋肉、そしてスパイのやりがいが発掘されようとしている。
俺はゆるやかに、だが確実に痩せていっている。
「ダーリン、今回はがんばったわね」
冷たかったナタリーも、キスしてくれるようになった。
結局彼女の愛情が一番の薬だったのかもしれない。
手のひらで踊らされるような人生も悪くはない……かな。
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