冬に死んだ女

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古明地もそのことは知っていて、サークル内の誰よりも鴨志田と会話をしていた。 安心感があったのだろう。 鴨志田はサークル内の誰よりも、動機がなかったのだ。 「参ったよ、まるで犯人扱いだ」 「私も。古明地の住んでいるところなんて、知らないのに」 久しぶりのサークルで、鴨志田以外のみながそうこぼしていた。 古明地の住んでいる場所は、サークルのメンバー全員が知らなかったが、サークルメンバーがアパートの住人と違うところは、アリバイがなかったことだ。 川北は会社員だが、その日会社の方針で有休消化をしていた。 おまけにどこにも出かけていなかったそうだ。 そして一人住まい。
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