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平凡な女子大生が殺されたのは、冬だった。
古明地と言う名の女だ。
細い路地の一番奥にある下宿先の安アパートの前で。
住民以外は誰も来ないような場所だ。
死体を見つけたのも郵便配達員だった。
撲殺で、頭が完全に割れていたそうだ。
その後、近くの小川で凶器と思える金属バットが見つかったが、しばらく流水にさらされていたそれには、犯人の特定につながるようなものはなに一つ残されていなかったと言う。
もともとは安アパートの住人の一人が外に置いていたものだが、持ち主は犯行時間には工場で働いており、本人はもとより同僚たちの証言もあり、完璧なアリバイがあった。
そのほかの住人も全て業務中で、平日の昼間と言うこともあって、古明地以外社会人である全員にアリバイがあった。
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