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相変わらずお腹は苦しいしトイレも近いけど、久しぶりによく寝たような気がする。
起きてからすぐに担当医である河原医師が部屋にやって来て、今日の手術についての説明をしてくれた。
「体調はどうですか?」
「大丈夫です。吐き気もしなかったし」
「それは良かったです。今日は篠田さんは一番目の手術になります。子宮筋腫が少し大きくなっているから、出血量が心配ですが、十分気をつけていきますね」
「はい、よろしくお願いします」
「あとは何か聞いておきたいことはありますか?」
「あっ、手術中に音楽をかけてもらってもいいですか? 今までもずっと聴きながらの出産だったので……」
「もちろん大丈夫ですよ。明日看護師にCDを渡してください」
「ありがとうございます!」
河原医師が部屋から出ていってから、呼び出しがかかるまでの時間をベッドに寝転がって過ごしていた。
上の子たちの出産の時にも流してもらったCD。少しでも自身を鼓舞するための大切なアイテムだった。これで頑張れる気がしてきた。
智絵里がリラックスしていると、赤ちゃんは逆に激しく動き回る。まだお腹の中にいるのに、こんなに賑やかなんて……産まれたら元気に走り回りそう。
私の手は二本しかないのに、子どもが一人増えたら追いつけるのかしら。
その時に部屋の扉がノックされ、恭介が笑顔で中に入って来た。
「おはよう。どう? 昨日はよく眠れた?」
「うん、普段よりはね。子どもたちは?」
「元気に学校に行ったよ。学校が終わる頃に迎えに行ってくる。みんな静かに出来るかなぁ。部屋の外にまで声が響きそうで怖い」
恭介はカバンから封筒を二通取り出すと、ベッドで寝ている智絵里に差し出した。
「咲良と芳乃からママに手紙だって」
「二人から?」
智絵里は封筒を受け取ると、少し照れたように中から手紙を取り出す。
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