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幼少期
「一人で大丈夫?」
「うん! 一人で行ける!」
暖かい陽気の二月の最後、小さい女の子は、リュックを背負い、靴を履く。
見たところ、五歳になったあたりだろうか、絵に描いたようなサラサラのおかっぱ姿の女の子だ。
「シチューのルー買う!」
「そう、シチューのルーならなんでもいいからね」
「わかったー!」
そう言葉を交わすと、女の子は小走りに行く。
一度振り返り、大きな声で「いってきまーす!」と叫んだ。
すぐ近くのスーパーなのだろう、母親は姿がみえなくなると、家へと戻った。
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