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境内も木の枝が少し、散らかっている。
そんな寂れた神社だ。
でも、この神社に御百度参りをしてきたのは理由がある。
第一の理由は、千六百年も前の大昔、鮮やかな紅色の瞳の美しく艶やかな金色の髪をした魔物が人類を滅ぼそうとしていたところをこの神社の神様である来九里(くくり)が封印したから人類に平和が訪れたっていうものすごく壮大な話だ。
俺がなんでそんな話を知ってるかというとこの神社のサビが付いてたり、汚れてたりしている案内板をギリギリ判読出来たからだ。
因みに神社の名前は来九里の名前を取って来九里神社。
来九里もまた一人の少女が人類を救ったからそれから神様として祭られるようになったらしい。
初めて、この神社に来てこの神社の由来を知った俺はその神話に夢中になった。
俺が学校以外で初めて触れた歴史だった。
そして、神社のイメージといえばどんな願い事も叶えてくれる。
さらには神社がある場所が高校の近く。
御百度参りもしやすい。
それがこの来九里神社に行く第二の理由だ。
そして、俺は拝殿の賽銭箱の前に来た。
ある願いのために!!
〝友達が出来ますように〞
「その願い、私が叶えよう。じゃが条件がある。私と結婚するのじゃ!」
「は?今なんて?」
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