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身長百七十八センチ、細身の色白美少年である麻生くんは、将来有能であるピアニストだ。
頭脳明晰、だけではなく運動神経だってほどほどに良くて、誰にでも人当たりはよく、フェミニスト。
今どきの高校生男子だけど、下ネタも言わないし、ヤンチャではない。
某銀盤の金メダリストのような、爽やかな完璧イケメンである。
一方その隣に住む、麻生くんの幼なじみのわたしはといえば。
どこにでも居るだろう、標準身長、標準体重。
頭脳も運動神経も中の中、おまけに可愛くも美人でもない、普通の顔をした、特に取柄もないただの高校一年生女子。
漫画の世界であれば完璧なヒーローと、通りすがりの町人Aかモブなほど接点無さそうな二人が、幼馴染なのは本当に残酷な話なのだ。
昨日、わたしは、三年生のお姉さま方に呼び出しをくらった。
理由はいたって簡単なこと。
「麻生くんの幼馴染だか何だか知らないけど一緒に登校とか止めてくんない?」
とのことだった。
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