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「本当……なの? その、お母さん……人間じゃないって」
お父さんは泣きそうな苦しそうな顔をしている。
「……ごめんな、愛」
「何で?! 何でそんなことになったの?」
「命が助からなかった! あの時、美緒はもう助からなかった。でも、お父さんの研究しているAIの技術と最先端の科学技術を融合させて、お母さんは何とか死なずにすんだんだ」
「違うよ。お父さん! 人間のお母さんはもういないんだよ……。今いるお母さんは、お母さんだけど、見た目はお母さんだけど、造られたものなんだよ」
私は泣きそうになりながらお父さんに、訴える。
「そうかもしれない。あの時はああするしかなかった。でも、脳から記憶を移したからすべてが造りものではないんだ」
「記憶を移す?」
「今の科学技術では出来るんだ」
「これからどうしよう……」
「人間じゃないお母さんは嫌か?」
私は首を横に振る。
「最初は嫌だった。でも、そうするしかなかったんでしょ? 記憶は入っているならまったくお母さんじゃないとは、言えない。でも、やっぱり人間じゃないからお母さんじゃない? うーん……分かんないよ!」
「そうだよな」
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