お姉ちゃん人形サリちゃんズ

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お姉ちゃん人形サリちゃんズ

 おままごとには様々な意味がある。  目的は大人になる訓練だ。遊びも大人になる練習だったがその練習には年長さんがいる。  AI技術を使って年長さんとして作られたのがお姉ちゃん人形だ。  役割は女の子とおままごとすることだ。    ユミの記録から    試作品の抽選に当たったのでお姉ちゃん人形が我が家に来た。  1メートル半ぐらいある人形にはサリと名前がついている。名前付けられないのかと不満を言ったら、姉に名前を付けるのはおかしいと言われた。 「よろしく。ユミ」  サリが言う。名前があるんま。お姉ちゃんだもんね。お姉ちゃんの名前を考えるのはおかしいもんね。  サリは親がいると動かないし話さない。  親がいない時だけ話し動く。一緒に届いた封筒には取り扱い説明書とレポート用の用紙が入っている。  後で読もう。  サリには角がついている。額に一本の角があるのだ。人間じゃないことを強調するために角があるという。  私はサリに色んなことを話した。 「あの子って乱暴なんだよ」 「そうね」 「母さんはもっと料理を勉強して欲しい。料理教室に行けばいいのに」 「そうね」  反応薄くない?まあいいか。私が飲み終わったペットボトルをゴミ箱になげるが外れた。  転がっていたペットボトルをサリが拾いゴミ箱に。  サリは色々聞きたがる。なんか見張っている感じはお姉ちゃんって感じね。  ことろか こうろか  なにがほし あれがほし  やあいやあい  ことろ こうろ  あれくれ これくれ  やあいやあい  サリは私が夜寝る時に子守歌のように変な歌を歌う。夜の10時に歌うようになっている。  歌う時には私をじっと見ている。  ことろか こうろか  なにがほし あれがほし  やあいやあい  ことろ こうろ  あれくれ これくれ  やあいやあい 「おやすみ」 「おやすみ」  サリはそう言うと私に近づいてくる。  私に顔を近づけ額の角を私の額に突き刺した。 「凄いんだよ。この角から脳にねナノマシーンを埋め込むの。それでユミはいい子になるの。」  翌朝私は取り扱い説明書を広げる。  取り扱い説明書はちゃんと読みましょうとだけ書いてあった。  ユミの母親は報告書を書いている。  そのレポートには問題児更生実験経過報告書と書いてある。    サキの報告書  お姉ちゃん人形とかいうキモいのが来た。  サリとかウケる。まじキモい。  そう思ったけどサリのお陰で私は真面目になりました。社会的に正しく生きていきます。     
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