☆02. 理解不能

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 いかにもレタスクラブでも読んでそうな、平和な主婦である栗沢さんは、どうせ知りもしないだろうと。言うだけ言ってみたのだが、ああ、と栗沢さんは、意外にも、納得したように、「チェスターの自殺はマジでショックだったよね。……いつか、ライブ行きたいな、って思ってたのに。あの歌声がもう二度と聴けないなんて」  わたしは素直に頷いた。「同意です……」 「ワンクロって会議前とかに聴くと本当スッキリする曲だよね。おれはブチ切れ寸前だ‼ おまえの言うこと成すことすべてがおれを苛立たせる‼ ……ってもううちの旦那と子どもみたい」  仕事では必要最低限の会話しかしていないのだが。そして、意外にも……、会社にも周りにも配慮して貰っているはずなのに、栗沢さんの、憂いげな表情が引っ掛かり、つい、口を開いた。「栗沢さん……そんなに腹の立つことあるんですか?」
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