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『カッコウ』
親愛なる君へ
君がこの手紙を読む頃には、僕は少なくとも、いつもの僕の部屋にはいないはずだ。
この二年間、僕は君に本当に世話になった。僕と君は単なるアパートの隣人、あるいは友人という関係でしかなかったが、それでも僕は、君のその普通さに心を救われていた。
だからもし君が、次に僕の名前を思いがけない形で聞くことになって、驚いたり悲しんだりしないように、僕はこの手紙を、君に残していく。
君は自由にすればいい。この手紙を捨てて、それっきり忘れてしまってもいいし、警察に届けてもいい。あるいは、取っておいたって構わない。
とにかくこれは、僕が今から実行しようとしている計画に関係があることだ。
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