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プロローグ
桜が舞い散る季節、白地に薄紅色の花が散りばめられている着物を身にまとい、私は旦那様の帰りを待っています。
「早く旦那様、お帰りになるといいですね」
「はい、すごく楽しみです」
後ろには和装建築の大きな御屋敷が太陽の光でキラキラ輝き、周りには女中さんが箒で掃除をしているお姿があります。
今、目の前で広がっております普通の光景も、私にとっては輝かしい記憶として、今も大事に刻まれ続けます。
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