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その二ヶ月後の三月五日。私の誕生日の二日前にあの出来事は起こった。
その日は切夜と市のショッピングモールに行っていた。その帰り。十一号のとある歩道を二人並んで歩いていた。
「今日も楽しかったね」
いつものように手を繋ぎながら、切夜は変わらず気軽な口調で言った。
ショッピングモールでは確かに楽しかった。中にあった本屋に行き、二日早い誕生日プレゼントとして青春ストーリー系の二冊の本を買ってもらった。他にも映画館やゲームコーナー、フードコートにも足を運んだ。
「うん!また二人でどこか行こう?」
遊園地や公園、海や山など、どこにだってまた一緒に行きたいな。きっとそう思うのは切夜と過ごす時間が楽しいからだろう。
「ああ。また行こうな」
切夜はそう軽く言った。
その切夜の涼しい顔を眺めながら、こんな時間が永遠に続けばいいのに____。なんて叶うはずもないことを願っていた。
その時だった。
「説奈、危ない!」
私の身を切夜が庇うように前に出る。
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