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どうしてあの時、私は切夜を助けることができなかったのだろう。いや、実際には助けに行ってその間に轢かれたのだが、もっと速く動くことはできなかったのだろうか。
あの時のことを思えば、切夜とは付き合わない方が良かったのかもしれない。母の応援に応えなくて良かったのかもしれない。けれど、初めの頃と今の自分を比べてみれば当然、今の自分の方が好きになった。
だけど、あの時からずっと頭の中には後悔の言葉やネガティブな言葉が巡り続けている。
それに一つだけ疑問も残っている。彼はなぜ、人見知りで内気な私に告白してきたのか。
あのときは誰かから話しかけられることすら不思議だったから。
もう第三者からはあまりないことだと思っていたから。
だからこそ、彼にどうしても理由を聞きたい。聞いて答えを返してくれないときっとこれも後悔としてずっと残ってしまう。
もう聞けない疑問。もう戻れない過去。あんなにキラキラとしていた私の初恋。
それが、私の唯一無二の後悔。できるならもう一度、やり直したい。
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