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でも、私で本当に良いのかな?
誰も友達がいない、本の虫と呼ばれる私で。
正直に思えば、良くないと思う。こんな私と不思議な少年が釣り合うわけない。
それにこの少年にはこんな私よりももっと他にいい人がいるはず。いなきゃおかしい。そんなネガティブな言葉が私の頭を巡る。
つまり、私の思いははっきり言って複雑だ。心の重心の置場だってもちろん、どこにもない。私はどんな答えを出せばよいのだろう。
「ごめん、迷ったよね?」
彼は私を気遣って話をしてくる。
確かに私はまるで方向音痴の人みたいに迷っている。
ただ、はいかいいえを選ぶだけ。
簡単なことのはずなのに、そのどちらかを選択することによって私の未来を左右させる。そんなことになってしまうのだから、迷ってしまうのは仕方ないと思った。
「今は、答えが…………出せない」
私はそうゆっくりと口に出した。
今すぐと言われれば、この状況では到底無理だ。おそらく二日以上は答えを出すのに時間がかかるだろう。
「なら、友達からな。僕の名前は藤白切夜。よろしくね。君の名前は?」
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