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それから三ヶ月、友達としてたくさんの話をした。放課後には図書室に来てくれるようになって私が好きな本をよく切夜に薦めていた。それを必ず切夜は借りてくれて、感想だって伝えてくれる。帰路も互いの家が近所なので割りと一緒にいる時間が多い。
悪口みたいなのを言ってくる時もあるけれど、それ意外は優しく接してくれて一緒にいると楽しくって互いに笑いあって、そんな時間を過ごしてゆく度に胸のドキドキは高鳴るばかりで不思議だと思った。
ある日の夕食後。
「最近どう?学校は」
緑茶を飲んで一服している母に近況を聞かれた。こういうことを聞かれるのは何ヵ月ぶりだろうか。切夜と話始めてから聞かれてなかったからきっと三ヶ月よりは長いだろう。
私は切夜のことを話すか迷った。交友関係については話すことすらあまりないからまず、信じられないと驚くだろう。でもきっと最後には喜んでくれる。私の母は何でも最後は丸くまとめようとする。そんな性格の人だ。だから私が何かをしでかしたって怒られることはあまりない。
「お母さん、私ね………」
私は思いきって切夜のことを母に話した。母は優しく頷きながら最後まで黙って私の話を聞いてくれていた。
一通り話終えると、
「おめでとう。説奈もやっと本当の友達ができたのね。母さんも嬉しいわ」
興奮したような顔で母はそう言った。それから私に温かくて短い拍手を贈ってくれる。
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