5956人が本棚に入れています
本棚に追加
私が顔を洗う間に自分のシャンプーを済ませた朔は、すでに体まで洗い始めている。
「早いね…」
「里麻が待ってるからな」
それを聞きながらタオルを外してコンディショナーを自分で洗い流すと、朔にシャワーをパスした。彼は先にタオルを洗って私にくれたので、もう一度髪をまとめるとバスタブに座って足をお湯に浸け
「あ…冷えてた…」
自分の足がとても冷たいことに気づいた。シャワーを止めた朔が私を後ろから抱えて一緒にお湯に沈む。そして
「警察って、なんだった?」
私のお腹の前で手を組むと、耳に唇を触れさせながら聞いた。
「ちゃんと話はするつもりだったの、明日」
「明日?」
「うん…預けているUSB…必要になっちゃったから」
「そうか。そこだけ聞くと、里麻の勝ちだな」
朔は私の気分が上がるワードを知っている‘里麻の勝ち’
最初のコメントを投稿しよう!