chapter~00~

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「里麻、嫌なことは答えなくていいぞ。俺が結婚することに変わりはない」 「うん、ありがとう。大丈夫…ぇっと、2ヶ月だけで子どもはいません」 「「2ヶ月?」」 両親が声を揃えたので里麻が明らかに小さくなる。 「ああ、ごめんなさい…ごめん、ごめんね…離婚に驚かなかったけど2ヶ月に驚いてしまったわ…どうして?聞いても?」 「浮気です」 「ええっ?DVとか借金の方がまだ分かるわね。こんな美人が奥さんでも浮気するの?」 「母さん、落ち着きなさい。芸能人でも浮気してるんだろ?いくら美人女優が奥さんでも」 「そう言われればそうね…で…それはきちんと終わってるのよね?揉めてない?」 「元旦那と相手と、どちらも終わってます」 「それは大変だったでしょ?すぐに結婚って気にはならないだろうし」 「本当にそうだね。よく朔との結婚を決めてくれたね。ありがとう、里麻さん」 父がそう言うと驚いたのは里麻で 「ありがとう…って…そんな…」 声を震わせ綺麗な猫目いっぱいに涙を溜めた。 「大丈夫だって言っただろ?」 コクンと頷いた拍子に溢れた雫石を親指で拭ってやる。 「もう緊張してないな?」 コクン… 「よかった。父さん、母さん、こういう事情もあって…俺は気にしてないが里麻は今日、めちゃくちゃ緊張してた。いつもはもっとテンポよくハキハキ話すし、だいたい服装がもっとお洒落。もっともっと魅力的なんだよ。またボチボチ披露するから」
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