chapter~2~

11/12
5819人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
私を椅子に座らせ、自分はデスクに半分腰掛けるようにもたれた朔が腕を組んだとき、彼が荷物の上に置いた私のスマホが短く電子音を発した。 「ん」 彼が、裏向けたままのスマホを私に手渡してくれたので 「ありがと」 と短く言いながらメッセージを確認する…賢人?今はまだ仕事中の時間のはずだけど…まあ、販売店から出ていれば私のメッセージを見たとも考えられるか。 ‘同僚たちと食べて帰るから夕食はいらない’ 仕事中の時間…私がメッセージ送信してから… 賢人…私は鋭いって言ったでしょ? 「朔、ちょっとだけごめん。電話させて」 「ここでな」 「うん」 そう言った時にはもう発信していた。 「こんばんは。先日お世話になった内田里麻と申します」 結婚したのに電話で‘内田’と名乗る私を、朔が腕を組んでじっと見ていた。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!