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「ごめん、朔。お待たせしました」
「1ヶ月待ったことに比べれば一瞬」
「嫌みな言い方はオジサンっぽいよ?」
「で?今電話で言った‘前回と同じ調査を今夜から再開してください。報告は1ヶ月後に頂きたい’ってのと、あのUSB、里麻の疲れ具合…全部関係あるんだろ?」
「……」
「ややこしいことに力を使ってんなよ。どうせ、負のパワーだから疲れてるんだろ?」
「……お腹がへった」
「食う時間あるのか?」
「ある」
朔は腕時計を見てからお店の中を覗き
「翠さん、裏のロコモコ弁当注文するけど一緒に頼もうか?」
と小さく聞いている。
「ひとつ頼む」
「了解」
「飲み物は取りに来いよ」
「あとでもらう。インターホン、俺が出るから」
と言った時にはもうスマホを触っている朔と私も少し似ている。彼がロコモコ弁当を注文する短い間に頭をフル回転させて、今夜の尋問を乗り切る算段をつけるのだが…難しいな…朔も鋭いんだよね。
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