quattro

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琉聖さんは私の頬を撫でてから両腕を私に回して 「そうだよな、メグには俺がいる」 と穏やかなトーンで言う。 「…お付き合いしている人がいるので輪島クンとはお付き合いできない。ごめんなさいって、くっきりはっきりバッチリ言ったのに…ちゃんと言ったのに…ちゃんと…」 「うん」 「…ちゃんと言ったのに…」 「どうした?吐き出していいぞ。相手は普通じゃないサルだ。サルに引っ掻かれたか?」 そうか…それだけのことだね… 「おサルに言葉が通じなかったのかな?」 「もしくは通じて、理不尽な逆襲ってとこ?」 「それか…」 「サルが?」 「キスした…ヤダヤダヤダヤダって思っても…ダメで…唇を噛んでやろうって思ったけど自分の唇に歯が当たった…」 「それがこれか…」 彼は私の唇の傷にチョンと指で触れると 「メグの全力拒否の証…」 そう言ってそっと唇を重ねる。 「ごめんなさい…琉聖さん…キス…ヤダったけど…した…」 「そんなんはキスって言わない。サルだからな。感触、覚えてるか?」 「あ…ゼロだ…自分が必死にヤダヤダって頭を振ってる感覚しか覚えていない…」 「よく振り払ったな、メグ。誉めてやる」 チュッ…琉聖さんのキスはこのライトなのからヘビーなのまで好き。
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